海や川でレジャーを楽しむために知っておきたい安全対策を大分市スイミングスクールの森永さんに聞きました。

大分市スイミングスクール
森永 英法さん

主な公職

  • 大分県水泳連盟・大分市水泳協会 理事

主な所有資格

  • 日本水泳連盟認定 基礎水泳指導員
  • 日本赤十字社認定 赤十字水上安全法救助員
  • 赤十字ベーシックライフサポーター
  • 日本ライフセービング協会認定ウォーターセーフティー
POINT 01 海や川で注意することは?  波の影響によるもので注意したいのが「離岸流」です。岸から海の方に流れる海流のことで、水の流れが見えづらく浮き輪でプカプカ浮かんでいたら、気づいたら沖の方に流されるというのはよくあります。これがやっぱり一番危険ですね。危険水域などを設けているところがほとんどなので、ライフセーバーの指示や海水浴場のルールに従って、マナーを守って利用しましょう。
 次に川ですが、上流の雨が下流での増水につながります。足元が滑りやすかったり、流れが急に速くなったり、水深も深い所があったり、危険も多いです。海、川共にアクアシューズやライフジャケットを正しく着用し、事前にお子さん達へ危険を伝えておくことが命を守る1番の手段です。
POINT 02 子どもは静かに溺れる?  漫画やアニメでも紹介されていますが、静かに溺れることを「溺水反応」といいます。呼吸をするのに必死で、声を上げて助けを呼ぶことが出来ず静かに沈んでいきます。
 例えば2~3才くらいのお子さんだと、水の中で自分が溺れているのに気づかないんですよね。「綺麗な水の中だな~」なんて思ってるうちに静かに沈んでいくんです。保護者が見守っていても、いつの間にか溺れていた、なんてこともあるので、お子さんから目を離さないのはもちろん、お子さんが水に対して恐怖心を持っていないか等、まずはお子さんのことをしっかり見てお子さんの水慣れ具合を知ることも大事ですね。
POINT 03 水を克服する家庭でできる練習方法は?  鼻に水が入るのを嫌がるお子さんが多いのですが、「口で息を吸って鼻から息を吐く」というのが基本で、スイミング教室でも教えています。よくあるのが、口を閉じている状態で鼻から息を吸って鼻に水が入って水嫌いになる、というケース。「口で息を吸って鼻から息を吐く」という陸とは違う呼吸法なので家庭でも教えてあげるといいでしょう。シャワーを嫌がるお子さんもいると思いますが、下を向けば楽に呼吸ができるので、できれば頭からシャワーをかけてあげるとお子さんは水に強くなりますね。
POINT 04 幼児水泳って何をするの?  まずは水と触れ合う機会をつくるきっかけだと思うといいでしょう。
 顔つけできないお子さんも多いので最初は水の中を歩く練習をします。ジャンプして飛び込む練習、耳をつける練習、ほっぺたをつけるだけでも水の音が聞こえて気持ちいいですよ。もちろん顔つけや口ブクブクもします。そういったことを段階を踏んで、幼児との信頼関係を築きながらベテランコーチが判断してステップアップしていきます。泳げる自信もついてくるので事故防止にもなると思います。
POINT 05 水泳のメリットは?  水泳は水の中に入るという特別な環境にいることで、水温や水圧など体に対する負荷がかかるので、免疫力が上がります。風邪もひきにくくなりますし、喘息のお子さんなら気管支が強くなるのでおすすめですよ。
 陸での運動が苦手だけどスイミングでは得意というお子さんも多いので、運動は苦手だからできないかなと言って諦めないでぜひチャレンジしてほしいですね。

取材・文:平野ゆかり