近年、発達障害のグレーゾーンに対する認識が広まり、児童発達支援所でも、個々の子どもに合わせた支援が行われています。どんな支援がなされているのか児童発達支援所「えだは」の小手川先生にお話を聞きました。

発達障害の「グレーゾーン」とは?

 発達障害とまではいえないけれど、それに近い特性がある状態で、何らかの支援が必要な状況にある時に使います。
 発達障害の2才~4才の未就学児においては診断がつくことは少なく、支援は予防的なものが多いです。

こちらの事業所ではどのような支援計画が作成されていますか?

 「いつかできる」を「できた」にかえるという理念のもと、年齢の発達に応じた土台作りを行っています。支援計画は、お子さんの発達段階や個別のニーズに基づいて作成されます。
 計画は、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5つの領域に分かれ、それぞれに応じたプログラムが組まれます。一人ひとりの成長を見ながら計画書の見直しも行います。また保護者の希望も踏まえて、関係機関と連携しながら子どもたちの成長を見守っています。

土台作りを行っているとのことですが、具体的にどのような方法で支援をしていますか?

 例えば支援の一つとして、感覚を得るために色んな音の出るおもちゃ等を使い、「ドンドン」という太鼓の音を聞いて「ドンドン」という言葉を入れていきます。「キラキラ」しているものを視覚で捉えて「これはキラキラだよ」と教えていきます。

 そこから身近な食べ物などの「もの」と「言葉」のマッチングをすることで土台を作っていきます。

集団活動に参加する際、どのようなことに気をつけたらいいでしょうか?

 まずはお友達とのコミュニケーションを促すことが大切です。

 おもちゃの貸し借りや簡単な声掛けを通じて社会性を育み、また自分の気持ちを言葉で伝える練習をすることで、誤解やトラブルを減らすことができます。

 例えば、意図的におもちゃを手の届かないところに置いて「これを取って」と具体的な自分の気持ちを相手に伝える練習などを行います。

悩んでいる人にひと言メッセージを

 子育てに関する悩みや不安は、多くの保護者が抱える共通のものです。

 特にお子さんの発達について気になることがあると、どう対応するか迷ってしまうこともありますよね。大切なのはまずお子さんの行動を理解することです。「なぜこの行動をとるのか?」という視点を持つことで、子ども自身の気持ちや状況を理解しやすくなります。

 早急に対応することが大切ですので、自分一人で抱え込まずお気軽にご相談下さい。

小手川 育美先生 保育士、
児童発達支援管理責任者 保育士として10年、保育園園長として3年、障がい児保育に6年従事。現在は児童発達支援管理責任者として4年にわたり従事しています。