猫も人もハッピーに過ごせる家

今回のテーマは子育て世帯にも人気の〝猫〟!猫好き&猫の生態を熟知した住宅プランナー當山さんに、猫にとっても、人にとっても安心・快適な家にするポイントを伺いました。

家を建てる前にペット情報を伝えよう

近年、ペットと一緒に暮らす人が増えています。子どもの情操教育にもいいといわれており、すでに飼っている人、家を建てるタイミングで飼いたいなぁ思っている人も多いのではないでしょうか?「ペットは家族の一員。せっかくならペットを含めた家族全員が快適に過ごせる家がいいですよね。そのためには、家を建てる前にどんなペットを飼っているのか(飼いたいのか)、どのようなライフスタイルなのかをしっかり伝えることが大切です」そう話すのはエイトの住宅プランナー當山さん。3匹の猫を飼っている猫好きであり、”猫も人もハッピーに過ごせる家“をたくさん手がけてきたそう。今回はその一例を教えていただきました。

ちょっとした工夫で猫も人も快適度UP

猫を飼う環境はご家庭ごとに異なります。「常に家に誰かいる」「日中無人になる」「小さい子どもがいる」「猫が入れないエリアをつくりたい」など、状況に合わせて考えるようにしましょう。

猫用窓1

好奇心旺盛な猫は外を見るのが大好き。日中無人になるので、猫が退屈しないよう、階段下のデッドスペースを利用して大きな窓付きの猫部屋をつくりました。猫が外を眺めるだけでなく、外からも猫がくつろぐ様子を見ることができるので、近所の人には”猫の家“として親しまれています。

猫用窓2

猫は上下運動が好きなので、高いところに窓をつけてあげると喜びます。 壁にキャットウォークを設置したり、天井に猫の移動用の梁を通したり、上部のデットスペースをうまく活用しましょう。

猫専用ドア

いちいち扉を開けなくても猫が通れるよう、壁や扉に猫専用ドアを設置すると便利です。

中庭

室内飼いの猫もたまには外でリフレッシュさせてあげたいですよね。そんなとき、フェンス付きの中庭があれば安全な遊び場になります。猫だけでなく、お子さんがプールを楽しんだり、親しい人とBBQで盛り上がったり…。フェンスで外から見えない(=プライバシーが守られている)ので多彩な使い方ができます。

階段の位置で猫の行動を制限

2階に猫を入れたくない場合、階段の位置をリビングではなく、玄関ホールにするのがお勧めです。リビングの扉を閉めてしまえば猫は階段にたどり着けません。
これは、「お子さんのお友達が来ても気を遣わずにリビングで寛げる」「来客中、お客様の前を通らずに2階に行ける」など、プライバシーを守ることにもつながります。

猫トイレの上に棚をつくる

猫トイレは、臭いや後処理の関係で人のトイレの近くに設置するのがお勧め。位置を決めたら、その上にネコ砂など猫用品を置く棚をつくると便利です。

猫以外にも「犬はシューズクローゼットを広くとって足洗い場や寝床をつくる」「魚は水換えしやすいよう、水槽置き場を工夫する」など様々なポイントがあります。デッドスペースを活用するなど、ちょっとした工夫でOKなのが嬉しいですよね。興味がある人は気軽に相談してみましょう。


プロフィール

株式会社エイト
建築デザイン・プランナー 當山 直美さん


住宅プランナー歴30年以上。インテリアコーディネーターを経て住宅プランナーに。女性ならではの視点を生かした効率的な家事動線、無駄をなくした機能的な間取りの提案が得意。猫好きであり、ペット案件も多数担当。趣味は娘さんとの温泉巡り。3匹の猫を飼っている。
https://eito-h.com/

取材・文/甲斐理恵 取材協力/株式会社エイト 伊東 貴志